※この記事は歯科医師監修のもと作成しています。
虫歯になりにくいと歯周病になりやすいのでしょうか?
また、その逆はどうなのでしょう。
結論
その傾向はありますが、正しくは違います。
なぜ虫歯と歯周病は関係ないのか?
虫歯も歯周病も単一疾患です。
単一疾患とは?
要するに、虫歯と歯周病の因果関係はありません。
虫歯になりやすいから歯周病にならないわけでもなければ、その逆もありません。
実際に虫歯になりやすい人が歯周病になるという事は普通にありえます。
ただ最初にお伝えしたように、傾向としてあるのは確かです。
唾液が多いと虫歯になりにくい?
唾液には自浄作用や抗菌作用があります。
唾液が多いと、常に口腔内を洗い流してくれます。これはいわば自動洗浄トイレのような作用が働いていることになるので、虫歯になりにくいとは言えます。
ただ、唾液の成分の中にはカルシウムやリンなどのミネラルが含まれており、これらが歯垢と結合すると歯石(歯垢が硬化したもの)が形成されやすくなります。
特に唾液が多い場合、このプロセスが促進されることがあります。
歯石とは?
歯石を放置しておくとそこから虫歯や歯周病になる可能性が出てきます。
唾液には自浄作用があるというメリットと共に、歯石ができやすいというデメリットもあります。
なので、一概に唾液が多いと虫歯になりにくいという事は言えないのです。
虫歯や歯周病になりやすい人はどうやって決まるの?
虫歯になりやすい人、歯周病になりやすい人、実は口腔環境はほとんどが遺伝で決まります。
「私、歯が強いんだよね!」そんな人は親戚や親兄弟などと似たような口腔環境にある事が多いです。
隔世遺伝も考えられるので、おじいちゃんが90歳まで全部自分の歯という人の孫も、歯が強かったりします。
ここで虫歯になりやすい人はさぞガッカリしたと思いますが、安心して下さい。
日頃の口腔ケアで何とでもなります。
もちろん歯周病になりやすい人も、常日頃から口腔ケアをきちんと行っていれば簡単には歯周病になりません。
虫歯も歯周病も放置するという事が一番危険です。
進行する前に、数か月に一度は歯科検診に行きましょう。
まとめ
虫歯になりやすいから歯周病にはなりにくいという因果関係がないことは確かですが、傾向として多いのもまた事実です。
おそらく、虫歯になりやすい人はこまめに歯磨きをし、口内環境に気を付けているので歯周病になりにくいのかもしれません。(あくまで個人の見解です。)
虫歯にならない人は、磨かなくても虫歯にならないからいいやという気持ちで、ついつい歯磨きもさぼりがちになりますよね。
こまめなケアで虫歯も歯周病もじゅうぶん防げるので、サボらずしっかりケアすることが大事です。